Preventive Medicine
予防医療は、決してムダにはなりません 予防医療についての、豊平動物病院の見解

予防医療には、3つの柱があります

 予防医療とは、「病気になってから対処しよう」ということではなく、「なるべく病気にさせない、もし不幸にもトラブルをかかえた場合でも早期発見で治療の道をひらいてゆく」という医療です。 まさに前向きの医療でありますが、これを単に予防接種やフィラリア予防のことと誤解しがちです。

 予防医療には3つの柱があります。それは、1)よい飼育環境を整えることとケアを行うこと、2)予防接種やフィラリア予防などを積極的に行うこと、そして、3)獣医師による定期検診を欠かさないことであると言えます。 

よい飼育環境と適切な家庭内ケア

 これはもっとも大切なことです。 まず、住居の問題。 「マンションはペット禁止なんですが、ペット売り場で目が合っちゃって衝動飼いしたんです」、これは飼い始めとしてもってのほかです。 捨て犬や捨て猫を拾ってしまったのなら別ですが、動物を飼い始めるときにはあらかじめ飼育に好適な環境を用意しなければいけません。用意していなければ、すぐに引越し先を探すくらいの行動が必要です。

 食事も動物の一生を支える大切な土台です。 あまり詳細な研究は進んではいないのですが、粗悪な食事で育った動物には肝臓の病気や腫瘍性の病気が多いという統計もあります。 小さな頃から、安全かつ良い栄養バランスを持った食事を与えるように心がけてください。 『しっかりした研究所を持ったメーカーの』、『人間が食べられるグレードの材料を用いた』、いわゆるプレミアム・グレードのフードを基本食にしてください。 おやつについては、いたずらにおやつメーカーの戦略に踊らされず、「なるべく与えない」勇気を持ちましょう。

 どのようなケアを家庭で提供できるか、これも大切です。私達はいつも不思議に思うことがあります。いつもきれいにトリミングしてもらい、かわいらしいリボンをつけている犬なのに、口の中を覗けば厚さ5ミリに達するような歯石と、溶けた歯肉、口から漂う匂いはまさに死臭そのもの…。また、耳を覗けば慢性の外耳炎で粘膜はぼろぼろ…。 「どうして気にならずに一緒に暮らせるんだろう?」

 歯の汚れも、耳の汚れも、ある程度までは飼い主の努力できれいに保てるものです。 そして、病気として確立してしまう前に、獣医師の助けを求めることもできたはずです。 つめ切り、耳掃除、歯磨き、etc... これらは単純で簡単なことですが、そのようなケア行動を行うときには、飼い主は知らず知らずのうちに動物を「観察してしまう」のです。 これが、表面には現れないような異常の初期を見抜けるように、観察力も実は養ってくれるのです。

家庭医(ホームドクター)を持ちましょう

 ワクチンはこの先生、フィラリアはあっちの病院で、耳の治療はどこそこの病院が安いから…と、病院を使い分ける方や、また、なかなかよい病院にめぐり合えずに、ドクターを転々と変える方がいらっしゃいます。 できることなら、「ペットの変化をしっかり把握してくれるホームドクター」を見つけ、その病院に任せることが望ましいと考えます。 しかし残念ながら、どんなにお互いが努力をしても、必ず、相性というものがあります。 

 ですから、「ここをホームドクターにしよう」と決めるまで、できることなら動物病院を3軒は訪ねることをお勧めします。 飼主ご自身やペットとの相性、ドクターの説明のしかた、看護士の対応などから、ご家族にいちばん合った動物病院を見つけてください。


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