胃捻転・胃拡張症候群(GDV)

「大型犬ブーム」の時の犬たちが、老年期を迎えて、このごろ「胃捻転・胃拡張症候群」を起こす犬が増えています。 この病気は、大型犬に多いですが小型犬でも起きることがありますので、どんな犬の飼主もご一読くださるようお願いします。

この病気は、たっぷり食事をしたり大量に水を飲んだあと、胃が過剰な運動をしてしまって、おなかの中で回転してしまう病気です。 治療を行った場合であっても、20%というきわめて高い死亡率です。 一般には、アイリッシュセターのような「胸の深い、大型の犬種」のリスクが高い言われますが、ゴールデンレトリバーやジャーマンシェパード、バーニーズマウンテンドッグでも同様です。 私たちの病院の治療例では、バーニーズが圧倒的に多く見られます。 小型犬では、ミニダックスでも報告が多いと思われます。 症状は、さっきまで元気だったのに急にぐったりして、お腹が張って「吐きたいけど吐けない」という様子も見られます。 唇をめくって、粘膜の色が蒼白になっていたなら、「様子を見よう」と考えずに、急いで動物病院に診てもらいましょう。

この病気では、捻転して血管が塞がってしまったり、胃拡張による血行阻害が起こり、循環不全になることで危険な状態が生まれます。 また、手術が間に合って胃の向きを直したとしても、それまで虚血していた組織に急激に血行が戻ることでも、致死的な問題が生じることがあります。

治療のためには正確な診断、拡張した胃からのガス吸引、血行の安定化などをしたのち、手術で胃のねじれを整復することが必要です。 また、「時間との勝負」と言われるほど、急速に悪化する病気ですので、思い当たることがあれば、すぐに動物病院を受診しましょう。

予防方法の大原則は、●一度に大量に食べないこと、●食後に大量の水を飲まないこと、●食後しばらく運動をさせずに安静にすること、この3点が基本です。 ほかに、「激しい運動の直後には食事や水を与えることを避ける」、「高い場所においた食器から食べさせない」ことも言われています。 心配な場合は、予防的に胃固定手術を受けておくと安心です。 特にバーニーズは、できれば予防的な手術を行うようお勧めします。

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