毛包虫症について

毛包虫は、別名ニキビダニとも呼ばれる、皮膚の内側に巣くう小さなダニです(英名 Demodex)。 毛根の五分の一程度の太さしかないので、顕微鏡でなければ見ることができません。 この毛包虫が増殖して皮膚の下で広がって行く皮膚病を、毛包虫症といいます。

【原因】 毛包虫は、健康な動物でも必ずわずかには存在すると言われています。 つまり、健康な状態では、「免疫システム」という体を防御するシステムが虫の増殖を抑制しています。 しかし、全身の免疫状態が低下・消失したとき、体が毛包虫の増殖を許してしまうことによって、この病気が発生します。 しかし、寄生虫の増殖にはまだ不明な点が多いので、まだはっきりとした理由はわかっていません。

【治療】 生後1年以下の、若い健康な犬で、顔面や腰の皮膚などに、ごく小さな毛包虫症が起こることがありますが、この場合は治療をしなくても自然と治ることが多いものです。 しかし、成犬や老犬で、毛包虫が全身に広がっている場合は、積極的な治療を行う必要があります。 残念ながら、この病気は積極的な治療を行っても、治癒に至らない場合もあるのが現状です。
 治療のメインは、1)週一回の抗ダニ剤(アミトラズ)によるディッピング(薬浴浸潤)、2)適切な抗生物質治療、3)抗ダニ剤の内服となりますが、1)も3)も日本の薬事法上認められている治療ではありません。 抗ダニ剤は、フィラリア予防に使うお薬を毎日内服することになり、薬代が若干高いですが、できれば治療初期には1〜2ヶ月間使用したいものです。 また、免疫力を低下させている原因(副腎のトラブルや、甲状腺のトラブル、糖尿病など)がありそうなら、それらを治療することも欠かせません。

【予後】 上記の治療がまったく功を奏さないことがまれにあります。 通常、2〜3ヶ月で発毛や皮膚炎が正常に復することが多いですが、治療効果には個人差があり、警戒が必要な病気です。

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