Dentistry
トップページへ戻る

根管充填した犬歯の例
VPC治療をおこない、生きた歯と
して残しました。

歯が折れたとき、欠けたとき

 運悪く歯が折れたり、割れたりしてしまうことがあります。 すばやく病院へ行けるなら問題は大きくならずにすむかも知れません。 バイタル・パルプキャッピング(VPC)という方法で、止血〜充填までを一気に行ない、歯の正常構造を保つことができます。 折れたことに気がつかないままですと、数日中に歯髄が炎症を起こしてしまいますので、根管治療を行うことになります。 これは、一本の歯について、何時間も必要とする治療ですから、麻酔時間も費用も馬鹿になりません。 大型犬で「骨」や「固いガム」を与えている場合、奥の一番大きい前臼歯が斜めに割れることがありますので、注意しましょう。

破折した歯に対する治療法は、おおまかに3つのオプションがあります

1)VPC(バイタル・パルプキャッピング) 受傷後、数時間〜数日以内の場合に可能です。 歯髄を保つことができ、「生きた歯」を残すことができます。

2)根管充填 歯の中の神経・血管をすべて取り除き、人工物で充填する方法です。 時間と技術を必要としますが、歯髄の炎症がある場合でも歯を残すことができます。 ただし、歯を支える組織に炎症が及んでいる場合は、後々トラブルが発生することもあります。 術後、半年に一回くらい、歯根などに異常がないか調べる必要があります。

3)抜歯手術 犬や猫の場合、歯がその場所からなくなることでトラブルが起こるのは稀です。 これは、人間と違い犬や猫の歯が「ハサミ」のように咬合するからと考えられています。 しかし、抜歯手術の場合、抜くこと自体が大変であり、抜歯跡の縫合処置もとても大切ですので、獣医師とよく話し合ってから行ってください。

いずれの治療を行う場合でも、受傷してからの時間や、歯周病の状況などから、最適な治療を行うことが大切です。
 
歯を折らないために、削らないために

私たちは、「ホネ」を食べることができません。 じつは、歯の表面にある「エナメル質」の強度は、犬よりも人間の方が強いのです。 ですから、犬に「ホネ」を与えてはいけません。 「ホネ」を食べても犬の歯やホネが強くなることもありません。 それよりも、適切な食事を与える方が大切です。
テニスボール、ゴルフボール、ペットボトルを暇つぶしにあたえるのも、歯が磨耗する原因を作りますので、ダメです。 

牛骨や、ひづめなどを与えて、
斜めに破折した臼歯。
放置したため歯周病が併発した例